ストーリー(これまで以上にきっと長くなる予感)
警察は2人が学生記者を装ってバス会社に行ったのち、王興徳の独身寮を訪れたことを掴んでいた。彼らの意図がわからないため、葉は疑いの目を向けていた。
「彼らは陶映紅と王興徳に嫌疑を 向けよう としていますが、彼ら自身の犯罪行為を隠すために私たちを 故意にミスリードしようとしているんでしょうか」
結論を急ぐな。張成はたしなめた。
二人の電子機器を預かるために警官がやってきた。緊張する2人に張成は捜査協力のためと説明した。
スマホやパソコンを渡そうと、カバンを開けたとき、鶴云は興徳の部屋から持ち出した女の子のもののような携帯が入っていたことを思い出した。
「これは君のかい?」
はあ・・と困って語尾を濁す鶴云。
「爆発の 原因は 見つかりましたか?赤いビニール袋を持っていた女性と関係ありましたか?」
なにか新しい手掛かりが見つかったか問う2人。
「どうしてそれが 気になるんだ?」
いぶかしむ張成。
「女性が化学工場で働いていたなら簡単に化学材料を手に入れることができたんじゃないか って」
外回りの警官の捜査で2人が王興徳夫妻とは何のつながりもなさそうだったという報告を受ける杜。
「その・・・ 陶映紅は化学工場でどんな仕事をしていたんですか?」
「彼女は 研究員だ」
張成は会話をしながらメールで鶴云の持っていた2つ目の携帯について確認した。
「修復中です」
葉がインカムで答える。
「私たちの予想はあってたんだ。能力も方法もある。彼女が爆弾を作ることができたと証明できるんじゃないですか?」
「現段階では 証明できない。犯罪が可能だったとだけ言えるだろう」
「それ以上調べないんですか?」
噛みつくように言う詩情の様子を見て、杜は張成に合図を出した。
「老張 魚がかかったわ。網を引いて」
「ところで2人に質問があるんだが、バスを降りた後、警察署に来るまでの間、君たちは学生記者のふりをしてバス会社に行った。教えてもらえるかな? 君たちの目的はなんだ?」
バス会社の事務員と興徳のルームメイトは警察署で2人の写真を見て、確かに彼らが興徳のことを探りに来たことを証言した。
「ニュースを見たあとで彼女はとても感傷的になり、乗客を間接的に殺したのは自分だと言いました。彼女には何もできなかったんです。どうして彼女がそんなことを言うのかと僕は・・」
鶴云は説明を始めた。
「僕たちはバス会社の近くにいたので、彼女を連れて行って、もっと情報を得ることができれば彼女が落ち着くだろうと考えたんです」
それを聞いて張成は少し納得した。
「災難が起きた後、多くの生存者が自責の念を覚えるだろう。彼らは自分の力が及ばなかったせいで災難が起きたと思いがちだ。彼らは自分に問うんだ。なぜ自分だけが生きてるんだ ?と」
「道徳観が強い人間の場合、この傾向は余計強くなる。我々はこの現象を生存者症候群とよんでいる」
「このとおり、僕たちは 知ってることをすべてお話ししました。その・・現時点で わかっていることを僕らに 教えてもらえませんか?」
鶴云は重ねて頼んだ。
「僕は彼女のことが本当に心配なんです。僕には話したくないというなら彼女だけでもいいんです」
「私は本当に、ただ答えが知りたいんです」
詩情は必死な目で訴えた。
張成は杜に管制室に呼び戻された。
江楓の報告から、爆弾は映紅の借りていた車庫で作られたことが確実と判明した。彼女のパソコンには原材料の取引の履歴も見つかった。
犯人が2人であることは明らかだった。
「そうすると李詩情と肖鶴云のとった行動は彼らの証言の通りのようね。彼らは犯罪者の動機を探そうとしていた」
杜は顔を曇らせた。
「老張。この2人の証人のことが全く理解できないの」
どんな事情や目的があるのか、まったくわからなかった。
「わかった」
張成は杜の意図を酌んで引き続き、2人が何をしようとしているのか探りに戻ることにした。
「爆弾は陶映紅が作ったものだ」
張成は2人に伝えた。
「では、彼ら2人が嘉林市にきて、過ごした4年間は、一人は運航を担当し一人は爆弾を作る。最終目的は今日の爆破だったんですか?」
まだ謎は残る。
「彼女が爆弾を作る能力があったなら、なぜ時限爆弾にしなかったんでしょう?なぜなら彼女はずっと 1:45 1:45 と言っていたので、なにかこの時間に重要な意味があったんでしょうか?」
部屋の様子を見ていた杜は葉に古い事件記録を調べるように指示した。跨江大橋で起きた事故や事件。特にこの時間が何か関わるようなもの。
鶴云は興徳の部屋から持ってきた携帯が実は自分のものではないことを白状した。
「実を言うと、あの携帯は違和感があって。彼のもののように思えなかったんです。なので何か情報が得られないかな・・と」
「あれが君のものではないことは、既に知っていた」
「彼らには 子供は いたんですか?」
あの携帯は彼らの子供のものじゃないかと思う、と詩情は述べた。
「老張。確かに彼らには娘がいた」
杜がインカムをとおして伝える。5年前に亡くなった王萌萌という娘。
娘が5年前に亡くなったと聞き、詩情は驚いた。1年前に王興徳と話したとき、彼らの娘は詩情と同じ大学を卒業して今は働いている、そう言っていたのだ。
張成はまた管制室に呼ばれて戻っていった。
携帯電話の復元にはまだしばらくかかるが、SIMカードの情報からその携帯が王萌萌のものだと判明した。
王萌萌の最後の通話履歴は5年前の 5月13日13:44、王興徳宛の電話だった。
そこから、警察は5年前の跨江大橋の事故の映像を見つけ出した。
5月13日 13:45。45系統バスから突然少女が降りてきて、後続の工事用トラックにはねられ即死。痛ましい事故だった。
彼らが1:45という時間にこだわったのはわかった。でも・・・
「今日は 5月9日。なぜ日にちが早まった?」
張成の問いに江楓が答えた。
「今日の午後からすべての車庫は防火管理の検査が入るそうです。それで証拠を隠すために日程を早めるしかなかったと思われます」
防火点検は先月の陶映紅の車庫で起きたボヤが原因だという。
犯人、爆弾、入手方法、手段、製造場所、動機、すべてがスピード解決した。本来の捜査方法では他の可能性を追い、ストレートにこのような解決は出来なかったはずだった。
「それゆえに出来過ぎている感が否めない」
若者2人の目的は何だったのか?
「彼らの主張によると彼らが知りたいのは王興徳の動機、だそうだ」
「私、問題に気が付いたわ。私たちの今日 一日の行動は運転手の動機を知るためだった。それがわかればドアを開けさせることができると思った」
でもその動機が彼らの死んだ娘であれば、彼女は生き返らない。運転手の意志を変えることは出来ない。
「だったら僕たちは爆破を阻止するしかない。僕たちにできる最上の手段は、警察が事件解決のためにどう動くか、知ることだ」
「王萌萌はどうやって亡くなったのか伺えますか?」
部屋に戻ってきた張成に詩情は尋ねた。
「彼らの動機が彼らの娘の死に関係あるのか、ということです」
「事件はすでに起きてしまった。いまさら彼らの動機を知ったところで、何も出来ることはない」
「もし私が目を開けたら、また私がバスに乗っていて・・・」
詩情はもし時間が戻せたら、どういうことが自分に出来ただろうかと言い募る。
「いいからもうそんなことを聞くなよ。こんなことは君にとって無意味だよ」
「じゃあ 私たちは 何もしないでただ爆発が起こるのを待つだけなの?」
2人が口論を始めるのを見て、張成は2人に警察の動きを説明し始めた。
もしも、があるならば。
爆弾があることを察知した場合、警察は次の停留所に警官を送り、一般客のふりをしてバスに乗り込み、タイミングを見計らって犯人を抑え、爆弾を排除する。
「今回のケースの場合、沿江東通りしかありません。それ以降のバス停がありません。たった5分で警官は位置につけるんでしょうか?」
バスが次の停留所に着くまでの間の時間を2人が稼ぐことが出来たら、より、警官の配備に余裕が生まれる。
「もし ある日、知らない人からメッセージが届いてバスが爆発すると言ってきたら、あなたは信じてくれますか?」
詩情は会議のために呼ばれ、立ち去ろうとする張成を呼び止めた。
「私はためらわず行動を起こすだろう」
いたずらかもしれなくても・・?
「もしそれが本物の通報だったら我々が出動することで乗客全員の命を救うことができる」
「私はそう考える、たった 一人の人間ではなく、我々の同志である、警官すべてがそう考えると信じている。これこそが私たち警官の存在意義だ」
そう笑顔で言い、立ち去ろうとする張成に鶴云は電話番号を尋ねた。
2人はまた、同じバスの中で目覚めた。
激しく鼻血を出した鶴云をみて、詩情は怯える。
「実をいうとタイムループに入ってからこれまで君には言えなかったんだけど、どうも体の具合がどんどん悪くなるんだ。僕にとっては このタイムループは無限じゃない みたいだ」
鶴云は確かにどんどん消耗していっている。
鶴云は心配ない、と言い、すぐに張成にあててメッセージを送った。
「老張。写真を送ったので見てくれませんか?確認してできれば返事が欲しいです」
沿江東通りに到着するまでの時間を出来るだけ稼がなければならない。
2人は固く抱きしめあった。
2人は、運転手が彼らを以前にも降ろしてくれた、痴漢を装うことで時間を稼ごうと考えた。
痴漢がいるから降ろして欲しい、詩情がそう訴えたあと、バスを停め、ドアを開けてもらう。まだ十分に時間が稼げていないので、今度は鶴云にもバスを降りろと言う。
鶴云はUSBメモリがなくなったと騒ぎ、床を探す。
バスは停止したまま、走り出せない。
上手くいきそうに思えたが、ハッピー 一兄さんがここで余計な口出しを始めた。
「お前たちなんかおかしいぞ。いいから警察を 呼ぼう」
警察、というフレーズを聞いて、警戒した運転手は突然ドアを閉めて走り出してしまう。
「待って!私たちまだ 降りてないわ運転手さん」
詩情は叫んだが、運転手は無視した。
沿江東通りのバス停が近づく。バス停に並んでいる男たちの様子がおかしいことに気が付き、運転手はそのままバス停で停まらず、アクセルを踏んだ。
慌てて追いかける警官たち。
運転手が警察の動きに気が付いたのを知り、パトカーの動きも早くなる。バスを取り囲み、橋に向かって並走する。
様子がおかしいことに気が付いた映紅は刃物を取り出し、乗客に動くな!と叫んだ。
後ろから映紅を抑え込もうととびかかる鶴云。二人はもみ合いながら床に倒れこむ。
老焦にも応援を頼み、なんとか刃物を取り上げ、圧力なべを奪う。
運転手はパトカーに車体をぶつけながらもエンジンを切ろうとしない。
バスを取り囲む警官。
「萌萌に起きたことはとても不幸な出来事だったわ。だからといってあなたが乗客の命を奪っていい理由にはならないでしょう?彼らは無辜の人々なのよ!」
詩情は必死に言い募るが運転手は聞こうとしない。
「納得がいかないなら警察に事件を調べなおしてもらえばいい。こんなことをする必要が無いんだ」
鶴云も叫ぶ。
「今更そんなことを俺に言ってなんになる?映紅!君が正しかった。お前の信念は正しい。もう少しの辛抱だ。萌萌が私たちを待っている」
映紅は興徳の言葉に安堵した表情を見せる。やっと、本当に理解してもらえた。
どうしてもドアを開けてくれない運転手を見て、鶴云は緊急用ハンマーを外し、窓をたたき割った。
すぐさま張成が反応して窓に駆け寄る。
2人は張成に圧力なべを手渡した。
川に向かって走り出す張成。駆け寄ろうとする江楓を余雷が押しとどめる。
橋の歩道から川に向かって爆弾を投げ捨てようとした瞬間。
爆弾は爆発した。
爆風に投げ出される張成。
所感・雑感
いやもう。私の感想なんていらないよね。
怒涛の45分。
張成の警察としての矜持と、人民愛に涙ぽろぽろですよ!
公権力がこんなに信頼に足る存在で、人々を愛し、正義を持って行われるならばどんなにすばらしいんだろう。羨ましすぎる。
このドラマをとおして、アノニマスの恐ろしさ、醜悪さ、ネットの向こう側には必ず人間がいるんだということ、正義はあるんだってことをずっと主張してますよね。
本当にそう思う。というか、そう信じたい。
つくづく、好きなドラマです。