ストーリー
記者がバス会社にインタビューに訪れる。王興徳が、乗客が落とした3万元もの大金を落とし主に返したことに対する表彰旗を受領したことと、その美談についての取材だった。
王興徳は取材の時間になっても訪れず、代わりに社長が取材を受けた。記事は合成写真で王興徳を差し込んで作成された。以前、詩情たちがネットカフェで見た記事はその時のものだった。
バスの中で再び目覚める二人。前回、相談なしに運転手に問いただしたことを謝ろうと詩情は鶴云に声をかけたが、彼はなかなか目を覚まさない。
「大丈夫なの?ここ数回あなたの調子は・・・」
鶴云はやっと目を開けるが、心配する詩情の声も良く聞こえない様子。
口がきけるようになった鶴云は、なぜ詩情が運転手にそこまで拘るのか問いただす。
「なんだって彼のことでは冷静さを失うんだ?」
「ただ一人信頼していた人から突然裏切られたみたいな気分」
詩情は進学のため一人で嘉林市にやってきて家族もいない中、バスに乗ると運転手から特別な優しい感情を受けてきたような気がすることを伝える。
「私は2年間彼を見てきたのよ」
「それはつまりそれだけ長くこれを計画してきたってことだ」
「でも彼はそんな悪い人だとは思えないわ。私を助けてくれたこともあるのよ」
詩情は食い下がる。
「誰かが一つ善行を施したからといって、その人が善人である証拠にはならない」
「でも私があなたを信頼したのは、その一つの行動が理由だったわ」
詩情はかって鶴云がバスを降りて救急車を一緒に待ってあげようか?と申し出てくれたことを理由に彼を信頼し、爆発から助け出そうとしたことが、ループのきっかけだったことを思い出させた。
「彼は長い間この路線を運転してきた。つまり一人はルートに責任を負い、時間を計画して、もう一人は爆弾の製造に責任を持つ、恐ろしい話だと思わない?君が悲しんでいることは知っている。僕にだって気持ちは理解できる」
鶴云は納得しない詩情に何も行動せず、次のバス停で普通に降りて、考える時間を作ることを提案し、二人は東通りのバス停でバスを降りた。
「以前何度か失敗した理由は運転手のせいだった。僕たちは彼が犯人だとまったく考えても みなかった」
「あの変な女性はずっと彼に向って叫んでいたわ。死ぬのが怖いのね、って。それに警察に通報したんじゃないかとも疑ってた」
詩情はなおも食い下がる。
「それに本当にバスの乗客全員を殺すことが目的なら私たちをバスから降ろさなかったはずよ」
2人は2回バスを途中下車していた。運転手が自分たちを殺すつもりだったなら、降ろさなかったと詩情は訴え、彼は強制的に共犯者にさせられたんだと述べた。
「彼が本当に良心を持っていて人を救う気持ちがあったなら彼女をバスに乗せるべきじゃなかったんだ」

2人を助けたからといって、他の無辜の乗客たちは?彼らの家族や恋人ならどう感じるかと鶴云は詩情に告げた。
「こんな方法ではなにも解決しないんだ。僕たちがするのは爆破を阻止することで彼のためにいいわけを探すことじゃないんだ」
そしてバスは遠く、橋の上で爆発した。
「これは僕たちがはじめて知る結果だ。誰にもなにもせず事件に干渉しなかった場合の」
鶴云は橋を眺めながら詩情に説明する。
「13:45。橋の上でバスは爆破される。これこそが彼らの本来の目的なんだ」
2人は王興徳のバス会社を訪ねた。事務職の担当者に、嘉林教育大の学生証を見せ、学内テレビの特集で王興徳についてのインタビューがしたいと申し出た。
事前の連絡もなく突然訪れた2人をいぶかしむ事務員。
「お兄さん、お願いします」
事務員が渋々棚のファイルの中から王興徳の資料を手に取ったその時、別の事務員が慌てて部屋に飛び込んできた。バスが跨江大橋で爆発したというニュースを伝えると事務員は慌てて飛び出した。
階段を降りたところで、ふと我に返る事務員。
「ちょっと待て。どの路線だ」
「45系統です」
それを聞いていぶかしむ。45系統、王興徳・・・?あの2人学生は初めから彼のインタビューを求めてやってきていた。
慌てて部屋に戻ると2人は既に消えていた。
詩情と鶴云はバス会社で王興徳の履歴書をスマホで撮影して情報を確認してみたが、その資料からは何もわからなかった。
「どうして彼は仕事もやめて故郷の焦島を離れたんだろう? 嘉林市にやってきてバスを4年間運転した。この爆破の計画のためだけに?」
「これをみると彼が仕事を辞めたのは配偶者の転勤によるそうよ。もしかして爆弾を抱えていた女性がその奥さんだと思わない?」
「でももし彼が妻帯していたならなぜ会社の独身寮に住んでいたんだろう?」
2人は王興徳の住んでいた独身寮を訪れることにした。
鍵会社に鍵を開けてもらって押し入ろうと考えていたところに、興徳の同居人が戻ってきた。
鶴云は彼が王興徳の甥であると名乗り、叔父に頼まれたものを取りに来たと偽って、部屋に上げてもらう。
王興徳の部屋で探し物をする鶴云。同居人は興徳と2年一緒に暮らしていると言った。鶴云は何を探しに来たのかと聞かれてうろたえるが、詩情がすかさず戸籍謄本と言って難を逃れた。
じっと鶴云の行動を監視している同居人の気をひくため詩情は彼に質問を始めた。
「彼が私を親族に近々紹介しようとしてるんですが、嘉林市では王叔父さんだけが彼の親族だから緊張してるんですけど・・・王叔父さんは話しやすい感じの人ですか?」
詩情は鶴云の彼女だと名乗り、興徳の話を聞きだす。
「奥さんにも会ったこと ありますか?奥さんはどんな 方です?」
「なんで戸籍謄本が必要なのかわかったよ」
同居人は声を落とした。
「彼らは離婚するんだろ?」
同居人は興徳の妻が精神病の疑いがあると言い、彼女がトラブルメーカーでどれだけ興徳を苦しめていたか話した。
「老王がどんなにできた人間でもあれに付き合い続けるのは無理だね。もし彼らの家庭環境が平和ならどうして老王がこの独身寮に住んでいるんだい」
遅かれ早かれ離婚するだろうと彼はため息をついた。
「先月のことだけど真夜中に老王の奥さんが電話してきて、すぐに 家に来いって。家が火事になったから手伝いに来いってさ 」
一方、鶴云は興徳の部屋を家探ししていた。銀行通帳や健康診断書を確認する。預金は多くはなく、健康上の問題は何もなかった。自殺行為でもある爆破事件を起こすような何かがないかと棚や引き出しをひっくり返す。
引き出しの中に、箱に大事そうにしまわれた、女の子のもののようなデコレーション携帯を見つけた。どうみても王興徳のものに思えなかったので、鶴云はそっとそれをカバンに入れて持ち出した。
独身寮を出て、2人はコンビニで元気水を飲みながら今後の行動を話し合う。
これ以上、2人の取材力では詳しいことはわからない。やはり警察に通報して協力する以外にない。
鶴云はこれまで得た情報と詩情の得た情報を合わせる。
なぜ13:45なのか、理由はなんなのか。
警察が捜査するには犯人も判っておらず、事件にはいろんな可能性がありすぎて、犯人の2人にたどり着くにも時間がかかってしまう。
「もし僕らが警察に行ってこの二人を捜査対象にできたら捜査の手間を省けるし時間も短縮できる」
即座に通報しようとする詩情。
「おいおい!ちょっと待って。考えてからだろ?警察になにを話すか相談しようよ」
二人はシミュレーションを始めた。
「僕は旧市街にバスで行く予定でした。ですが事情があって僕たちは途中下車しました。その後ニュースで爆発のことを知り、僕たちの乗っていたバスだと 気が付きました。僕たちはあなた方に協力するため連絡すべきだと思いました」
--なぜ途中下車しようと思ったか?--
「僕たちが港務新村についたとき、ちょっと精神に問題がありそうな女性が・・・」
陶映紅が乗ってきたので危険を感じて途中下車したと説明する2人。
「彼女は席に着くとナイフを取り出しました。それから独り言を言い始めて」
--どんなナイフか?--
「ダガーみたいな感じの」
「彼女は ”みんな 爆死する” ”誰も 生き残れない“ ”13:45”・・・」
「ダメだよ。具体的過ぎるよ。僕らの意図を疑うはずだ。少しぼかさないと」
「曖昧じゃだめでしょう?私たちは警察の捜査の時間短縮をしたい。それなら要点を伝えるべきよ」
--彼女が独り言で言ってた話を君たちだけが聞いたのか?君たちにはっきり聞こえたなら他の乗客にも聞こえただろう。彼らの反応はどうだった?--
「彼らに聞こえていたかどうかはわかりません。彼らはなにも反応しませんでした」
「僕らは彼女のナイフに気が付いていたので用心深く彼女の話を聞いたんだと思います」
2人は映紅の姿や様子を説明し続ける。
「実際に私が途中下車を決めたのもその圧力なべが理由です」
--なにかその圧力なべがおかしかったのか?--
「彼女がバスに乗った時なんか変な匂いがしたんです」
化学薬品のようなにおいがしたと主張する詩情。
「あの圧力なべがおかしかった気がして調べてみていただけますか?」
--この女性は他の乗客となにか交流したか?--
怨恨の線や共犯の可能性を尋ねる警察に
「運転手に話していたのを見ました」
「なにか変なことを言っていました。一緒に死のうとかなんとか」
映紅が王興徳を名指ししていたことを伝える2人。
「あいまいな手がかりばかり話したら警察は私たちをどう扱うかしら?このやり方ではなんの情報も手に入らないわ」
2人がただの目撃者だとしたら警察は何の情報も開示しないだろう。警察の報道解禁を待つことなく、次のループに入ってしまえば、すべては振出しからまたやり直しになってしまう。
なるだけ長く警察にとどまれるよう、2人が協力者として警察に認めてもらえる方法を探さなければならない。
2人は警察で証言を始めた。
別室では杜と張が違和感を感じている。
「証言者たちは私たちを釣りあげようとしている。彼らからの情報はとても有益だけど明らかにある方向に私たちを導こうとしている。彼らの意図が私にはわからない」
杜は外部からの情報を、張は2人の話から、意図を探ることにした。
「君の記憶に基づいて、乗客がどの位置にいたか再現できるかい?」
鶴云は完璧な説明と共に、乗客の一人一人の位置を示した。あまりに詳細過ぎる説明に、やはり何か意図があるのかといぶかしむ張成。
「青年、君の記憶力は凄いな」
「僕・・・ 僕はゲームデザイナーなので良く人物や状況を記憶するんです」
「なあ 君はどこへ行った時でも一度行った場所であればなんでも覚えられるのかい?」
警察署に入ってきてから部屋までのレイアウトを書くように言われ、書き出す鶴云。
それを見て張成は鶴云がバスに限ってのことでなく、単に記憶力が良いだけと判断し、次の協力を求めた。
乗客の写真を並べ、どの人物が鶴云が説明したものか尋ねる。写真を手に取った2人。
そのとき、あの、いつもの呼び出し音が鳴り始めた。
恐怖に凍り付き、思わず鶴云の腕をつかんで怯える詩情。
「どうしたんだ?」
その様子を見て、またいぶかしむ張成。
「彼女は被害者の写真を見たので驚いたんです。実は彼女は罪悪感を覚えていてなにか変だと気が付いたときにそれに対しなにもしなかったことに・・・」
慌ててごまかそうとする鶴云。
呼び出し音は葉にかかってきた電話の音だった。
「容疑者が浮かびました。陶映紅 年齢56 焦島の出身です。彼女は港務新村に住み化学工場で働いていました。」
伝える葉に張成は頷いた。警察は運転手の王興徳と陶映紅が結婚していることも知った。
管制室に戻る張成。
「少女の方はどうしたの?」
「生存者の罪悪感があるんでしょう」
「彼らが提供した情報は信用できる。だけどいくつかの反応がとても疑わしい。彼らはまだ 署内にいてもらって監視下に置きましょう」
杜は張に引き続き彼らの意図を探るよう頼んだ。
バス会社に情報を確認しに行った余雷は、王興徳が模範的な運転手であり、職歴がクリーンであることを突き止め、署で待つ杜たちに伝えた。
王興徳は何度も45系統への異動を志願し、実際に担当してからは昇進の話を断ってまでも他の路線への異動を断っていた。
王興徳はバス会社の独身寮に住んでおり、同室の小袁は参考人として署に向かうことになった。
嘉林科学工場に陶映紅のことを調べに行った江楓は、彼女が品質検査部で化学薬品を取り扱っていて、 また前職では化学教師であったことを確認した。化学材料のサンプリング品質検査や廃棄を担当しており、化学的かつ技術的な能力の背景を持っていたうえ、原材料にもアクセスできたため、爆弾を作ることができる可能性は高かった。
映紅と興徳が犯人であることはほぼ確定的だった。
鶴云と詩情は供述が終わると別室で待つように言われた。
「呼び出し音が鳴った時は自分を抑えられなかった。条件反射なの。爆発が起こると身構えてしまった」
詩情は別室に連れ出され、何の情報も得られなくなったことを自分のせいだと嘆く。
「私たちは警察が事件を解決する手伝いしかできない。爆破を阻止する方法を探さなければいけないのに、ここで時間を費やすわけにはいかないわ」
「まだ チャンスはある」
鶴云は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
所感・雑感
警察と協力し、解決の道を探す2人。
凸凹コンビというか、深く考えずに突っ走ろうとする詩情を立ち返らせる鶴云と、慎重で頭の回転も速いけど、他人と関係を気付くのが下手で警戒心を持たれやすい鶴云を人懐こさでカバーする詩情。ホント良い組み合わせ。
しかもお互いがきちんと相手の話を聞くようになって、信頼関係も出来てきて、上手く役割分担が自然にできるようになっている。
良いなあ。
私は、仲の良い人たちを眺めるのが好きな性分なので、恋人同士でも家族でも友人でも、信頼しあい、阿吽の呼吸で動く人々を見ると、その両方を大好きになります。
張成と江楓や、杜と張成、杜と葉、江楓と余雷もいいコンビですよねー。江楓と葉の口げんかも好き。鶴云と劉鵬も喧嘩ばかりだけど良い兄弟。蘆笛とルーパパ、ルーママも良い組み合わせですよね。たくさんの愛がある。
ドラマではなく、現実の世界ではなかなか気が合う人、信頼しあえる関係性は得難いもの。もし、この人のこと好きだなあって思える人を見つけたら、大事にしたいですよね。


























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