導入
[通報します 走行中のバスに爆弾があります]
とある、良く晴れた日の午後。警察への一本の通報電話から物語は始まる。
通報したのは、李詩情(lǐshīqíng) 嘉林市教育大学 3年生 20歳の少女。
新市街から大学、病院を経由して旧市街、嘉林市の中央街をつなぐ、45番バス。
偶然、そのバスに乗った 李詩情 は バスの爆発、そして、循環(タイムループ) に巻き込まれてしまう。
バスの中で目が覚めると、そこは、いつもの状景。またここに戻ってきてしまった・・・
なんとかバスの爆発から逃れなければならない。このバスから降りなくては。
李詩情は隣に乗り合わせた青年の手をつかみ、突然叫びます。
「痴漢!この人痴漢です!」
顔見知りの運転手に訴え、途中下車しようとする李詩情。
このままバスに乗っていたら、乗客もみな爆発で死んでしまう。
「誰か私と一緒に降りませんか?」
と声をかけるが、誰も降りようとしない。
痴漢だと訴えた相手の青年の手をつかみ、一緒に降りて!とバスから降ろしてしまう。
無事にバスから降りられた李詩情は安堵の笑みをもらす。
だが、身に覚えのない痴漢よばわりの上、バスから引きずり降ろされた青年は怒り心頭。
派出所に出向いて監視カメラの映像を確認しようと持ち掛ける。
「あなたが痴漢じゃないことは知ってるわ どう説明すればいいかわからないけど、ごめんなさい、ありがとう」
そう言って立ち去る李詩情。
後姿にいぶかしそうな視線を向けながら青年はタクシーを拾って目的地へと向かう。
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しばらくして爆発音。
横断歩道を渡りながら、音に驚いて振り返った李詩情はスクーターと接触してしまう。
やはり乗っていたバスは今回も爆発した。
彼女が運ばれたのは、嘉林市第三病院。
軽い脳震とうだったが様子を見るために入院することになった。
その病院はバスの事故現場からも近く、事故に巻き込まれた人々が運ばれてくる。
彼女はそのなかに、バスで隣に座っていた、バスから一緒に降りて、助かったはずだった青年の姿をみつけて驚く。
バスの事故は、嘉林市のここ10年間で最も被害の多い重大事故だった。原因はスクーターの無理な横断と、それをよけようとしたバスが反対車線の燃料タンクを積んだトラックに衝突し、爆破炎上してしまったものと思われた。
警察は事故前後の路上監視カメラの映像を見て、途中下車する2人の若者を発見する。
バス停でもない、路肩で突然バスが停まり、降りてくる2人。
事故との関係は?なにかバスの中でトラブルが起きたのか?警察は事情聴取のため、入院している李詩情を訪ねた。
窓の外を呆然と眺める李詩情。無数の鳥が彼女を追い立てるかのように弧を描いて飛ぶ。
始めに訪れたのは、江楓(jiāngfēng)と名乗る、市警公安局の警官と、もう一人の若い警官。
脳震とうで朦朧としている李詩情はまともに状況を説明できない。
苛立つ江楓をなだめつつ、もう一人の警官が思い出すのを手伝う。
今日は、午後に授業がなかったので、中心街の書店で本を買う予定だった。李詩情は少しずつ記憶をたどる。
気分が悪くなって、運転手のところに行き、降ろして欲しいと頼んだこと、乗客の一人が救急車を呼ぼうか?と声をかけてくれたこと、運転手に停車を一緒に頼んでくれて、救急車が来るまで付き添ってくれると言ってくれたこと・・・
違う!
私はバスの中で痴漢にあったんだ。
そして、その痴漢を派出所に連れて行こうとして、バスを降りた・・・?
まったく異なることを言い出す李詩情に江楓は声を荒げる。
そこへ公安局の副隊長、張成(zhāngchéng) が入ってきた。彼は2人がバスを降りるところの映像を見せ、事情を聴きだそうとした。
すべてを思い出して吐き気に襲われる李詩情。
慌てて水を飲ませようと張成はペットボトルをつかむが、右手には力が入らず、持ち直した左手でキャップを開けて、李詩情に渡した。
水を飲み、語り始める李詩情。
それはとても奇妙な物語だった。
お話の続きの前に
えーっと、これからドラマをご覧になる方は、導入部分だけ読んで、その後はご自身で見た方が、私の拙い文章で読むよりも100倍面白いかと思います!
でも時間もないし、ストーリーだけわかればいいやという方は続きをどうぞ。
物語の核心に触れる部分、ネタバレ多々(ここまででも十分ネタバレですが・・・)なので、お気をつけて、続きをどーぞ!
第一集 後半部
「彼を殺したのは私だわ」
録音を取りながら、ゆっくり聞き出す張成に、李詩情はその日の朝からの出来事を話し始める。
突然の告白に驚く警官たち。何から話せばいいのか戸惑う彼女に、張成は2人の警官たちに部屋を出るよう促した。
バスに乗った時は、人が多く、空いている席は一つしかなかったので、彼女はそこに座った。そして、隣には彼女が乗る前から、一人の青年が座っていた。
席に着くとすぐ眠くなって、彼女は寝てしまった。
うとうとした状態で、旧式の電話の呼び出し音のような音を聞き、目を開けると、閃光を浴びた感覚がして、次の瞬間、顔に燃えるような痛みを感じて・・・
そして彼女の乗ったバスは爆発した。
「2回目に目覚めたとき 私はまた バスの中にいました」
リアルな夢を見たんだろうと思い、周りを見回すと、彼女が乗車した時よりも乗客はだいぶ減っていた。
激しい頭痛があったけれど、きっと寝ている間に頭をぶつけたのだろうと、スマホのミラーで確認してみたけれど、ぶつけた様子もなく赤くなってもいない。
その時、また、以前にも聞いた呼び出し音が鳴って・・・
そして、バスはまた爆発した。
「それで、3回目のときは・・・」
「ふざけるのはいい加減にしろ!」
話を続ける李詩情に江楓は怒り出す。張成は江楓に階下の様子を見に行くよう命令する。
「あなたは私の話を信じますか?」
たずねる李詩情に張成は首を横に振り、それでも話を続けるよう、促す。
3回目には李詩情はこれは夢ではないと気が付き、バスを降りることを試み始める。
4回目にはハンマーで窓を破ろうとして失敗。
5回目には心臓が痛いと仮病をして病院へ運んでもらおうと運転手の近くへ向かう。
「すぐに病院に行かなきゃ、病院に連れて行って!」
懇願するも、バスは止まらず、橋へと向かう。誰も助けてくれない。
偶然、隣に座っていた青年だけが、彼女のそばにやってきて、降ろしてあげてくれ、救急車を呼ぼう、付き添ってあげるから、と彼女の意を酌み、一緒に運転手に頼んでくれた。
やはりその回もバスを降りることは叶わず、十字路でバスは燃料トラックに衝突して爆発炎上。
「でもその時、私はバスの事故の詳細を知りました」
スクーターとバスと燃料トラックの位置、経緯を説明する李詩情に張成は驚き、いぶかしむ。彼女は事故の経緯をニュースか何かで知ったんだろうか?
6回目に、彼女は、どうしてよいかわからないまま、親切な青年を痴漢と責め、叫んでバスを途中下車することになった。
彼が痴漢でないことは知っていたけれど、他に手段が浮かばなかった。
運転手は路肩で停車し、ドアを開けてくれた。彼女は青年を無理やり引きずり降ろした。
張成はバスの運転手が、従来であれば、痴漢がバス内で発生した場合、警察に通報し、次の停留所でドアを開けず現場を確保して、出動した警察に痴漢を突き出すのが決まりになっているはずだと李詩情に説明する。
なぜ、運転手はルールを守らず、彼女のためにバスを停め、ドアを開けて、あまつさえ、痴漢と名指しされた青年まで降ろしたのか、彼女に尋ねるが、彼女にも理由はわからない。
李詩情は、このことで、自分と、青年がバスの爆発から逃れることができたと信じたが、青年の乗ったタクシーは結局バスの事故に巻き込まれてしまう。
彼が事故にあったのは私のせいだ。
「彼を殺したのは私だわ」
李詩情の言葉は、青年をバスから降ろしただけで、何も説明せず立ち去ってしまった自分への後悔の念から出た言葉だった。
話し終えた李詩情に、張成は
「君の主張によると、君はバスの "循环" (循環) に巻き込まれたということか?」
と尋ねる。
李詩情は初めて、自分の置かれた状態が、循环(タイムループ)の中にあると気が付く。
蘇生の甲斐もなく、息を引き取る青年。心電計がフラットになり、ピーっという音。
そして
バスの中で目覚めた青年。
「なんてリアルな夢なんだ・・・」
爆発に巻き込まれる恐ろしい夢を見て目が覚め、夢だったのかと安堵しつつ、周りを見回すと、様子がおかしい。まるで、夢の続きを見ているようだ。
同じバス、同じ乗客、そして、隣には、あの少女が眠っている・・・!?
小ネタ・雑感など
ひゃー。第1集から手に汗握る、ハラハラドキドキのスタートでしたよね!
このドラマのロケ地は廈門市(アモイ)。4大経済特別区の1つで台湾を対岸に臨む、港町です。町並みや街路樹が南国っぽいですよね。暑そう。
タイムループが発生したのは5月ですが、みなさん夏服を着ています。
事故が起きて、警察はすぐに道路の監視カメラをチェックしますが、バス停の映像や、交差点の映像など、高解像度のカメラがかなり密に張り巡らされている様子。
バスの中にもカメラがあるらしく、青年は警察に行って痴漢でないことを証明するために映像を確認しよう!と持ち掛けるなど、市民の間でも、監視カメラは既に日常のものとなっているのがわかります。
ユビキタスな社会であれば、自分の情報がどうつながって把握されていても、便利で、安全であれば、そこに理や正義があればそれでよいかなあと思っています。なので、どんな情報がどう扱われているのか、ちゃんと管理されている内容について公開されてほしいなあとも思っています。
他の国の事情は分かりませんが、日本については、この情報が全くわからないようにできています;たとえば自分の使っているスマホ1台ですら、どういった管理が行われているのかベンダーにも情報がなくわからない。
そして、バスの非常時マニュアル。痴漢が発生したら通報の上、ドアを開けず、警察を待つ。きちんとルール化されているんだぁと感心。
架空の嘉林市の話なのか、中国全体の話なのか定かではありませんが、ちゃんとルールがあって、警察と協力体制が出来ているのが羨ましいなあ!
学生時代に、バスの運転手に痴漢がいます!って伝えたら、騒がれたら運行に遅れが出るだろ?と言われた恨みは今でも忘れていません。
今はもっとまともな社会になったのかなあ。まあ当時は痴漢なんて現在ほどはっきり犯罪です!と位置付けられてませんでしたけどね・・・
李詩情が病院の窓から眺めていた鳥たち。
私はこれからクレイグ・レイノルズの「ボイド」を連想しました。Boidのモデルはこう。
- 衝突回避
- 整列
- 接近
目的もわからず、明確なリーダーがいなくても大きな力に動かされるようにして群れを形成し、流れに身を任せ、羽ばたき続ける。
その流れから切り離されてしまった時、ちょうど、李詩情のように、何度も時間を巻き戻され、タイムループに落ち込んでしまった時、ベッドの上から鳥の群れを眺める彼女は孤独を感じ、不安に思ってしまっただろうなあと。
タイムループなんて非常事態でなくても、ふとした瞬間に群れからはぐれてしまったような気分になることがありますよねー。
私は大病患って手術して家で療養していたころ、本当に世界から切り離されてしまって、自分が何者かわからなくなってしまったことがあります。
これまで、誰かの娘で、誰かの妻で、誰かの上司で、誰かの部下で、誰かの友達で、そんな社会的役割の中で生きていたのに、ただの病人という存在で、寝て起きて薬を飲むために食べるだけの毎日。
病気にならなかったとしても、何かに不安を感じていて、その不安が周りと共有できないときとか。私は結構食べるものに気を使う方で野菜などお取り寄せしていたりする方なのですが、自然派ママまではいかず、意識高い系と揶揄される一歩手前程度のこだわりぶりですが、周りの白い目に辛い気分になることはあったり;
なにが言いたいかというと、誰しもが、自分が浮いた存在に感じる瞬間ってあると思うんですよね。そんな時に言葉が通じる人がそばにいてくれさえしたら、それだけで辛さが減るというか。
わかってもらえない、信じてもらえない人と話すのって疲れますよね。
だからこそ、誰かが何かを話す時は、坦懐に相手の言葉を聞く姿勢を持ちたいなあと思います。自分に理解できない話でも、少しでも理解できるよう、話を聞こう。
改めてそう感じたエピソードでした。
そして、頭から読み直してみたら・・・・ながっ!!!!!
失礼しました。
第2集からはも少し端折って読みやすくしますねっ
もう書いちゃったから、今回はこれで良いことにしよー
ドラマを見たくなったらぜひ!見終わったら感想とかお話しましょー?
お気軽にDMでもください。




















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